眠りを極める

仮眠で脳の疲れをとる

ちょっとした時間にとる仮眠は、睡眠不足の解消のほかにも意外な効果をもたらします。

昼寝で脳が活性化する

それは、『シエスタ』といわれる昼寝をする習慣で、スペインやイタリアなどでは生活の一部となっています。この地方に暮らす人々の間では、仕事をして昼ごはんを食べる時に家に帰り、それから2~3時間くらいの休息をとることが普通だといいます。

昼ごはんを済ませたあと、人間の脳の働きは低下します。この時間帯に昼寝をしておくと脳がかなり活性化されて、その後夜にかけての時間、活動力を高く維持することができますから、このように、たっぷり昼寝をする習慣があることはとても良いことなのです。

ただ、どんなにシエスタ文化がすばらしくても、世界から見れば働き過ぎといわれる日本では、こんな長時間の休息をとることは無理でしょう。だとすれば、3時間とはいかなくても、せめて15分~20分くらいでいいので仮眠の時間をとりたいものです。最近では、こうした仮眠の習慣を取り入れている企業もあるようです。

居眠りは究極のリラックス法

日本では電車の中で眠っている人を多く見かけます。外国では治安が悪いこともあり、欧米人にとってその光景はかなり驚きのようですが、日本人の電車での居眠りは日常的です。電車が揺れる単調なリズムが眠りを誘い、何とも心地よくなるものです。日本人が電車の中ですぐにウトウトするのはビタミンBが不足しているからだというような説もあるようですが、やはり疲れがたまっている人が多いのでしょう。都会で働く人たちの電車での通勤時間は片道だけで1時間~2時間かかることもあり、それだけでもかなりの時間を費やします。仕事が終わってもおつき合いもあるし、帰宅してちょっと何かをしていればあっという間に時間が経って、睡眠時間が削られていくわけです。

そんな毎日の睡眠不足を補うのに、居眠りは役立っています。居眠りは浅い眠りで本格的な睡眠とは違いますが、それでも、私たちの脳や体にとっては結構な休息効果があるのです。ほんの10分ほど居眠りしただけで、心拍数や脈拍がゆっくりになり、全身がほぐれとてもリラックスした状態になります。皆さんも経験があるかもしれませんが、浅い眠りの時には目覚めも気持ちよく頭がスッキリしています。こういった事からも、居眠りは睡眠不足を補うだけでなく、自然にリラックスできる方法なのです。

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