体内時計の基本は1日25時間! リセットすれば健康な睡眠を取り戻せる

太陽の光は睡眠・覚醒のリズムに大きく影響します

目覚まし時計は、音でひとを刺激して覚醒させます。しかし、人間の睡眠と覚醒を刺激するのには、音よりも合理的な刺激があります。それが、「光」です。光、特に太陽光は、動物だけでなく人間の睡眠・覚醒パターンにも大きな影響を与えます。

光をうまく使いこなせば、よく眠れる、スッキリ目覚められるといった健康面だけでなく、勉強やビジネスを優位に進めることができます。

逆に、光を誤った時間帯に浴びてしまうと、眠りの妨げとなることもわかっています。まず、私たちがもともと持っている、からだのリズムから考えてみましょう。

「夏になると睡眠時間が短くなり、秋から冬になると睡眠時間が長くなる」「そうかもしれないな」と体験的に納得するかたも多いと思いますが、このことはいくつかの一般的な調査で裏付けられています。

夏、特に夏至あたりは夜明けの時間が早くなり日差しも強いので、寝ていられず自然に目が覚めてしまったという経験をしたかたも多いのではないでしょうか? 逆に冬は、朝とはいっても寒いし暗いしで、なかなか起きられませんよね。 人間の睡眠リズムは、からだの深部体温と関係しているのです。体温が高くなる午前・午後は覚醒、低くなる夜から未明は睡眠、というサイクルが一般的なパターンです。

光は乱れた睡眠のタイミングもリセットしてくれる

光は、このサイクルに影響を与えます。光には、睡眠のタイミングを調整するはたらきがあるのです。具体的にはどうなるか。朝日をたっぷりと浴びると、このサイクルが前倒しにされます。これによって体温が下がりはじめる時間が早くなります。

つまり、早く眠くなるということです。早寝早起きで、健康的な、いいパターンですね。逆に、夕方から夜に明るい光を浴びてしまうと、サイクルが遅れてしまいます。

体温がなかなか下がりにくくなる、これはなかなか寝付けなくなる、ということです。深夜の勉強や仕事にはいいのでしょうが、ちょっと不健康ともいえます。朝いきなり暗いところに入ってしまったり、あるい明るい光を浴びると、夜の睡眠は悪くなります。
これも経験的に納得がいくのではないでしょうか。臨床現場でも、不眠のかたには、朝の日光を浴びることをすすめています。

もともとの体内リズムは、なんと1日25時間!

光が睡眠のリズムを調節することには、いくつかの理由と科学的な根拠があります。人間の1日のリズム(概日リズム)は、24時間ではなく、それよりちょっと長い25 時間といわれています。

眠りのホルモン・メラトニンや元気のホルモン・コルチゾルも、1日のうちで周期的に分泌量が変動していて、これも前述したように光の影響を受けています。

光がない真っ暗な中では、もともとの体内リズムである25時間の周期が優位にはたらき、ちょっとずつ生活リズムがズレていきます。これを修正してくれるのが、光なのです。

光は、睡眠障害の治療にも使われています。秋や冬になると過眠になってしまって起きられない季節性うつ病の治療には、光療法が有効です。

先はどど紹介した、毎日寝付く時間が遅くなってしまう「睡眠相後退症候群」にも、光療法が効果的である場合があります。お年寄りの施設でときどき見られる、せん妄といって夜に不安や興奮を呈し不安定となる症状も、昼間に天井から太陽光の差すロビーで一定時間を過ごすと、発生率が低いという研究結果があります。

こうした光の持つ力は、睡眠障害だけではなく、日常の生活にも使えます。海外旅行や出張の際も、現地の朝の時間に合わせて光を浴びるのが効果的です。

夜に研究や仕事、勉強をしたいというかたは、夕方から夜にかけて明るいライトの前で光を浴びると、覚醒レベルが上がります。

たとえば、ボストンは冬が長いので、秋冬の夜長の勉強用に「ハッピー・ライト」という光療法グッズで光を浴びている方もいます。

先ほどの季節性うつ病の治療用異なので、「ハッピー・ライト」というネーミングなのでしょう。研究や論文執筆での能率アップに使っていたのでしょうが、しかし確実に夜の眠りが浅くなるので、本当にハッピーかは疑問です。こうした「奥の手」は、ここぞというときだけ使ったほうが、ハッピーだと思います。

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