なぜ夢をみるのか
夢は睡眠中に起こる心理的な体験ですが、なぜ、人は夢を見るのでしょうか。それには諸説がありますが、大きく分けると次の4つあるそうです。
- ホメオスタシス説
- 回復説
- 記憶と学習過程説
- 精神力動説
ホメオスタシスとは、人間の体温調節のように、変化しながらも一定の状態を保とうとする体のしくみです。睡眠をとることで感覚を遮断し、脳の活動を低下させるのですが、これは脳の休息に必要なことなのです。レム睡眠によって脳の興奮状態を鎮静させ、危険から守ろうとするという考え方です。
回復説というのは、覚醒時の脳の疲れを睡眠中に回復させるというものです。集中力や心的エネルギー、自信、社会への適応能力などの回復に役立っているようです。
記憶と学習過程説とは、レム睡眠が、覚醒時に集めた情報の中から不要なものを消去して必要なものだけを記憶できるようにする、また、翌日に新しい情報を仕入れることができるようにする役割をもっている、とするものです。
精神力動説というのは、夢をみることによって、抑圧されていた衝動を空想の形ではありながら満足させる、というものです。現実の世界で満たされなかった欲求が夢の中で部分的に満たされるのです。成人が見る夢は、本能的な衝動を解放する役目をもっているとされています。
夢は自分でコントロールできる?
とても良い夢をみた時またあの夢をみたいな、逆に、イヤな夢をみたときにはもう二度とあの夢はみたくない、と思ったことはありませんか?夢は、ほとんどの人が無意識にみるものであって、自分の力ではどうしようもないと思っていることでしょう。
ところが、夢には意識的にみる夢があるといわれています。それはレム睡眠時にみる夢で、そのとき脳波にはアルファ波が出ています。自分が思うようにドラマをつくり筋書きを変えることができるというのですから、そんな夢ならぜひみたいものですが・・・。ただし、精神的にも身体的にも優れたバランス感覚をもっている人だけがこういった夢をみることができるそうです。