リラックスして眠ることが大事

眠る前の脳のリラックス法

うまく眠りにつくにはリラックスすることが大切になります。心配な事やイライラした気持ちが残ったまま布団に入っても、なかなか眠れるものではありません。

脳をリラックスさせる方法はいろいろあります。ゆったりのんびりすればいいので、それほど難しく考えなくても大丈夫です。外で働いている人だったら、仕事が終わり家に帰ったらできるだけ大脳への刺激を減らし、くつろぐ時間をつくりましょう。

さぁ寝るぞ、と思っても、それまで一生懸命に仕事や勉強をしてきたので、すぐに寝つくことができずにイライラすることがあります。そんな時には、1時間でも30分でも、少し時間をおいて疲れている脳を休ませるようにしましょう。

深刻に考え込んだり、逆に、うれしくてはしゃぎすぎたりした状態でも、脳が興奮してしまい眠れないのです。また、こういった思考や感情の高揚だけでなく、眠る前には激しく体を動かすことも向いていません。激しい運動ではなく、精神の緊張をほぐしてくれるような軽い運動ならばオススメです。

ウォーキングで快眠?

健康のためにウォーキングしているという人はたくさんいると思います。歩くことは健康の維持や成人病の予防などにもいいのでブームになっていますが、このウォーキングは健康法としてだけでなく、ストレスを解消し、睡眠を誘う方法としても効果的なのです。

眠りの本質は、体を休ませエネルギーを回復させることです。起きている時にエネルギーを使えば使うほど、睡眠時には深い眠りが得られます。体を動かした日によく眠れるのは、多くの人が経験しているでしょう。この運動の一番基本になるのがウォーキングです。

脳細胞は単調なものごとにはすぐに慣れ、反応することをやめてしまう性質を持っています。歩くことはまさに単純作業で、脳細胞は無反応になり、イライラ状態が解消され脳はリラックスします。そして、リラックスできれば、スムーズに眠りにつけます。

アロマテラピーで上手な眠りと目覚め

眠る前にハーブティーを一杯飲む、という人はいるでしょうか?カモミールやラベンダーといったハーブの成分には鎮静作用があることが知られていて、入眠への効果も期待できます。そして、成分だけでなく、香りの働きというのも重要です。香りは、私たちの気分をくつろがせ、穏やかな眠りへと誘います。これがいわゆるアロマテラピーの効果で、この香りの効果を利用した快眠グッズもいろいろ販売されています。

さらに、香りには目覚めの効果もあります。例をあげると、歯みがき粉です。毎日歯をみがく時に何気なく使っている人が多いのではないかと思いますが、ほとんどの歯みがき粉にはミントが含まれています。ミントの香りは、脳を覚醒させ、爽やかな気分にしてくれます。また、ミントというとガムも代表的です。最近では機能性のガムも多くどこでも販売されていますが、なんとなく目覚めが悪いと思ったら、ペパーミントの香りのガムを噛んでみては?きっと、頭も気分もスッキリするでしょう。

眠れない | アロマテラピーの効能・効果

睡眠とアルコール

お酒の飲み過ぎで睡眠の質が落ちる

快眠を得たい人にとっては、アルコールの摂取は微妙な問題となります。神経の高ぶりを静め、気持ちをほぐす目的での少しの量の晩酌やナイトキャップ程度なら眠り薬のような役目を果たしますが、飲み過ぎてしまうと逆に睡眠を妨げてしまいます。アルコールの力を借りて無理矢理眠ったとしても、それは脳がマヒしているだけで、疲労回復という睡眠本来の効果は期待できません。これでは、質の悪い睡眠しかとれないということになります。また、一般にアルコールの摂取では体の中の水分が奪われます。飲み過ぎて、のどが渇いて夜中に目が覚めたという人は多いでしょう。ビールなら、利尿作用が強くトイレに行く回数も増えます。

ナイトキャップも、注意していないとお酒の量が増えてしまい、アルコール依存症への道を歩む危険性もあるかもしれません。最初はおちょこ一杯だった量が、コップ一杯になり、次には二杯になって、とだんだん増えていき、ついにはお酒を飲まないと眠れないようになってしまう可能性があります。アルコール依存症についてはこちら

アルコールの大半(90%以上)は、肝臓で処理されます。肝臓が1時間に代謝処理できるアルコール量は、6~9グラム程度です。ビールなら大瓶3分の1本、3分の1合です。時間、ペース、そして自分がお酒を飲む日の体調などを考えながら飲むことが大切です。

もし、既に年単位で寝る前にお酒を飲む習慣がついてしまっている人は、すぐにお酒をやめると不眠が深刻化するケースもあります。まず疲れた肝臓をしっかり元気にしてからお酒をやめるために生活習慣をかえていくのがいいでしょう。
肝臓を元気にして、その後から少量ずつお酒を減らしていく方法がベストです。アルコールで心地よく眠れていると勘違いしているのは本人だけで実際には、熟睡できていないのです。

アルコール依存で睡眠状態が異常になる

最近では、男性ばかりでなく女性のアルコール依存症患者も増えているといいます。
アルコールというのは、飲んでいるうちに強くなるものです。それを自分でコントロールすることができないと、アルコール依存症に陥ることがあります。そして依存症になると、意志が弱くなったり判断力が低下したりして飲酒量もますます増え、悪循環となります。こうしたアルコール依存症の精神障害で一番特徴的なのは、せん妄状態です。せん妄状態というのは、意識が混濁して、幻覚を見たり錯覚を起こしたりと、現実の感覚が無くなってしまうような状態のことをいいます。

せん妄状態に陥ったアルコール依存症患者の夜間の睡眠を観察した例があり、途中で何度も覚醒するとても不安定な眠りが見られました。レム睡眠が減少し、深い眠りのノンレム睡眠も無くなっていたようです。またレム睡眠のときの急速眼球運動があるのに、筋緊張が残っていたりと異常な状態になっています。そのとき患者は、鮮明な夢をみて、それに反応して叫んだり、しきりに寝ごとを言ったりすることがあるのです。

睡眠と食事

朝食をしっかり摂ると快眠につながる

快眠を得るのには毎日の食事も大きく関係しています。
例えば、一般的なサラリーマンの場合、忙しく時間に余裕が無い朝はパンとコーヒーだけの簡単な食事を済ませ家を出る、昼は会社の近所の店などでラーメンやざる蕎麦を食べるだけ、というような人が多いようです。そして夜は会社の仲間や友人と、仕事終わりにアルコールを飲みながらガッツリ食べる、そんな生活が当たり前になっていませんか?
こういった生活リズムだと夕食に比重が偏りがちですが、このような食生活は睡眠にとって悪影響となります。また、健康にもマイナスに働きます。しかし、今までこのような生活を続けてきた人に、明日からはしっかり朝食を摂りましょうといっても、なかなかできるものではありません。夕食を徐々に減らしていき、朝食をおいしく食べられるようになりましょう。一日の始まりの朝に、しっかり食べてしっかりと栄養を摂取することは、眠気を吹き飛ばし脳の活動を高めるのにも役立つのです。
規則正しい食生活ができると、睡眠のリズムも自然に整ってきます。

昼食の後は誰でも眠くなる

昼食を摂った後は誰でも眠くなります。食後に、コーヒーを飲んだりたばこを吸ったりして、眠気を覚まそうとしている人も多いでしょう。食事をして眠くなるのは全身の血液が胃に行ってしまって脳にまで血液が回らなくなるからだと一般的に言われていますが、本当にそうなのでしょうか。
実は、食べ物の中には、眠りを誘う物質が含まれています。これを「睡眠物質」といいますが、これらが脳に働きかけることによって私たちは眠くなってしまうのです。
タンパク質に含まれているトリプトファンは、睡眠を促すことで知られるセロトニンという物質を作ります。ミネラルの一種であるカルシウムにも人を眠くさせる力があります。こうした睡眠物質により、とても自然に食後の眠気がもたらされます。

夕食は肉類の食べ過ぎに注意する

夕食の場合、食事の時間やメニュー・ボリュームに注意しないと、夜眠れなくなることがあります。
食べ物は体の代謝を高めますが、特に肉類は、代謝を高める働きがとても強く、また、でんぷんや脂肪と比べ消化に時間がかかるため、眠りにつく前の食事としては適していません。肉類をたくさん食べると代謝にはでんぷんや脂肪の2倍~3倍の時間がかかるといわれ、当然その後の睡眠に悪影響を及ぼします。
肉類でなくても食べ過ぎれば代謝は盛んになるので、夜寝つけなくなります。夕食はできるだけ、満腹ではなく腹七分目ほどにおさえ、就寝時間の3時間前には済んでいるようにしたいものです。

睡眠中の体

睡眠中も体は活動している

人が眠っている間は安静な状態であると一般的に思われていますが、私たちが眠っている時の体の状態は案外不安定です。

脳波、眼球運動や呼吸運動などを同時に記録することができるポリグラフ記憶というものを使って普通の健康状態の人を調べた場合、血圧を見てみると、眠りについたあと低下しますが少しずつ上昇し、朝方にも上昇することがわかっています。心拍数は、眠りによって減ってはいきますがレム睡眠の時に一時的に急増します。呼吸数もレム睡眠になると早くなって、不規則になります。レム睡眠では夢を見るので、これらのことから、夢の中で怒ったり泣いたりしている時に対応していることがわかります。

発汗の状態を見てみると、胸部で入眠時に増え、だんだん減っていき、朝方に最も少なくなります。皮膚の温度は、額(おでこ)が低く手足が高い、いわゆる頭寒足熱型です。体温は睡眠時には下がりますが、これは、エネルギー節約のためです。

胃腸の働き、胃液の分泌は、睡眠中は減少します。成長ホルモンをはじめ、副腎皮質ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなどは分泌量が増えます。また、寝返りをうったり、手足が細かくピクピクするような運動が見られます。皆さんが知っているように、寝言を言ったり、歯ぎしりをする人もいます。

眠っている間に成長する

毎日の睡眠時間は人によって違うものですが、年齢によっても、かなり異なるのを知っているでしょうか?大きくいって、新生児が18時間、10歳児で10時間、成人になると7~8時間といったくらいです。子供のうちの睡眠時間が長いのは、睡眠と体や心の成長に関係があるからです。大人にもいえることですが、深い眠りは特に、体の機能を回復させ、成長を促進し、心の健康を維持するのにも役立っていることがわかっています。子供の場合この深い眠りは長く続くのですが、大人になるに連れて少しずつ減少し、老人になるとほとんど無くなってしまいます。

「寝る子は育つ」などといわれますが、この深い眠りの時に成長ホルモンが放出されるので子供はすくすくと成長していくのです。また、健全な心の発育のためにも睡眠は重要で、深く眠るための環境も、子供の成長にとって大切なものです。

眠りと目覚めのリズム

体内時計は25時間?

私たちの体内には眠りの時計が備わっています。体内といっても胴体ではなく実際は脳なのですが、「体内時計」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。夜になると眠くなり朝になると目が覚めるのは、この体内時計のおかげなのです。

眠りと目覚めは、約一日のリズムで交代しています。そして、このリズムは脳の視床下部(ししょうかぶ)と呼ばれているところで作られています。この視床下部の、前の部分には眠りを誘う睡眠中枢(すいみんちゅうすう)があり、後ろの部分には目覚めを促す覚醒中枢(かくせいちゅうすう)があります。さらに、視床下部には視交叉上核(しこうさじょうかく)という神経細胞の集まりがあって、一日のリズムを作りだしているのです。これら3つの共同作業によって、一日の睡眠覚醒周期ができています。

こうしたリズムができてくるのは私たちが生まれて6ヶ月くらい経過してからであり、赤ちゃんが昼夜を問わず眠りと目覚めを繰り返しているのは、まだ3つの連携がうまく行われていないからです。体内時計も中学生になる頃には大人と同じようになります。

しかし、体内時計は、私たちが社会で生活していく上での24時間と同じではないのです。体内時計がどれくらいの周期なのかというと、それは、だいたい25時間だといわれています。およそ1時間のずれは、毎日太陽の光を浴びることで補正されているのです。

朝型と夜型

インターネットの普及、24時間放送しているテレビなどの影響により、昔と比べると夜型の生活を送っている人がかなり増えました。

『夜型』というのは、午前中は調子が悪く、昼過ぎから頭がスッキリしてきて夕方を過ぎる頃にエンジンが全開になるタイプです。対して『朝型』は、太陽が昇るとともに起き午前中から好調、夕方を過ぎる頃には活動量が低下し始め、夜10時には眠くなるというようなタイプです。

朝型の生活を送る人と夜型の生活を送る人では、体温の変動に違いがあります。夜型の人は、体温が最も高い時刻が、朝型の人よりも5時間くらい遅くにずれています。朝型の人の体温が一番高い時間が15時くらいですから、夜型の場合には20時くらいとなります。これは、朝型の人の体温が下がってきて眠りの準備が始まる頃に、夜型の人はまだまだ元気!ということです。

もちろん、職業がら夜に頑張って働いている人もいるわけですから、いちがいに夜型が悪いというわけではありませんが、「昼間は活動し夜間は休息する」という人間本来の生活に逆らっています。

昔から、日が出たら起床し日が沈んだら眠る生活に馴染んできた人間の心と身体の機能は、日中に高まり夜になると低下するのが自然です。これまでの調査や実験の多くで、昼夜を逆転して生活している人の昼間の睡眠では、休息が不十分であるという報告がされています。