あくびはなぜ出るの?

あくびが出るのは睡眠不足だから?

眠いとあくびが出ます。でも、あくびは眠いときだけ出るわけではなく、あくびが出たから睡眠不足だと、単純に考えることはできません。

前の日の夜はたっぷり眠って、睡眠不足なんてないはずのときにも、私たちはあくびをします。例えば、つまらない講演を聞いているとき、お決まりの話をするだけの退屈な会議に出ているとき、また、入学式や卒業式、結婚式などで長いスピーチが続いたりしても、あくびをしてしまうことがあります。そんな経験をしたことがある人はたくさんいるでしょう。

こういったことから、あくびがでるのは単に睡眠不足であることのサインというより、脳の活動レベルが下がってきたサインだと考えられます。

興味のない話、おもしろくない話や、同じようなことの繰り返しばかりの話を聞き退屈だと感じると、私たちの脳の働きは鈍くなります。

あくびは、大きく口を開けて息を吸い込み、それから吐き出しますが、このように口を大きく開けるときに顎の筋肉が強く引っ張られて、この感覚が脳に情報として送られ、覚醒させるように働きかけているのです。そう、あくびは、脳を覚醒させるための手段なのです。同時に体や腕を大きく伸ばす動作もしますが、これにも同じ意味があるようです。

そのほかにあくびが出る理由として、脳に何らかの病気があることも考えられます。あまりにも頻繁にあくびが出るようなら、脳卒中などの前兆ということもありますので、気をつけましょう。

睡眠で得なのは男性より女性?

男性と女性で、脳に差があることはよく知られています。左脳・右脳の話でいうと、女性は男性に比べて左右の機能差が少なく、片寄りがそれほどなくて、つまりバランスが良いそうです。

脳卒中の後遺症などによって、言葉をうまく話すことができなくなる例はとてもたくさんありますが、この場合にも、男性より女性のほうがダメージが少なくて済むようです。

男性と女性の睡眠の違い

ところで、脳の機能の性差と同じように、睡眠にも性差があるのです。

一般的に、睡眠時間が短いとしても女性のほうが深い眠りを得られるといわれています。女性の眠りには、短い時間でも熟睡することで効率よく脳の疲労を回復するという特徴があるのです。

また、女性はホルモンバランスの変化によって睡眠の質も変化します。排卵期には睡眠の量が少なくなり、黄体ホルモンの分泌が活発な黄体期にはたくさん眠るようになります。

生理前になると眠くてたまらない、という女性も多いと思いますが、生理が始まる1週間前くらいから夜の眠りが浅くなって昼間うとうとしたりすることがあります。これも女性ホルモンの作用によるものなので、男性にも理解してもらいたいですね。

男性に圧倒的に多いのが、睡眠時無呼吸症です。簡単にいうと、眠っているときに呼吸が止まってしまう現象をいうのですが、患者は比較的女性のほうが少ないのです。

なぜ男性のほうが多いのかというと、男性の脂肪のつきかたが理由のひとつだと考えられています。男性の肥満では頸部(くび・のど)や上半身に脂肪がつきやすい特徴があるのです。ただし、女性でも、更年期に入り女性ホルモンが減少してくると、睡眠時無呼吸症のリスクが高まります。

いい眠りで肌美人になれる?

睡眠不足がたたってお肌の調子が悪い・・・というのは、よく聞く話です。睡眠不足と美容の関係、女性ならやっぱり気になりますよね。一般的に、肌を美しく保つためには、夜10時から12時までに眠るのが良いといわれています。

私たちの体が活動している日中は、血液もエネルギーもほとんどが筋肉や脳のほうへ向かいます。そして、夜になると体が次第に休息状態になり、睡眠に入ると皮膚を流れる血液の量が増えます。同時に、日中とは違うホルモン(成長ホルモン)が分泌され、これが細胞に栄養を与えて成長や増殖をさせ、傷ついた部分を修復させるように働きます。

本来、夜10時というのは、私たちの自然な生活のリズムにおいて、深い眠りに入るために適した時間です。この時間帯に、深い眠りにスムーズに入ることができると、細胞の修復作業も活発に行われるので、美しい肌を取り戻すことができ、また、健康な生活を送ることができます。

成長ホルモンによる肌の新陳代謝が最も活発に行われる時間は夜10時〜深夜2時と考えられ、この4時間が肌のゴールデンタイムといわれてきました。これは、肌の再生を促す成長ホルモンが分泌されやすい時間帯である、ということです。そして、成長ホルモンの分泌のために、ゴールデンタイムの間にしっかり睡眠をとることが重要だとされてきました。

しかし、現代の生活では、夜10時という時間に眠りにつくというのは、なかなか難しい話ではないでしょうか。

ただ最近では、この肌のゴールデンタイムに異論を唱える専門家も増えているようです。今はむしろ、成長ホルモンが分泌されやすいのは入眠後の3〜4時間であって、特定の時間帯に限定されていないという説があります。

重要なのは、眠りについてから3〜4時間に質の良い睡眠をしっかりとることだと考えられます。また入眠直後の時間帯に熟睡することが、成長ホルモンの分泌量に影響するようです。私たちは、体温が低下してきた時に眠くなるので、そのための入浴などがおすすめです。

夜10時に眠りについているのは難しいことですが、美しい肌と健康のために、せめて日付が変わる前に布団に入ることが理想です。

また、メイクを落とさずについ朝まで眠ってしまう、なんてことは絶対にやめましょう。これでは肌は大きなダメージを受けます。どんなに疲れていても、メイクはきちんと落としてから眠りましょう。そして、男性も油断をしてはいけません。きちんと洗顔して、一日の汚れを落としてから眠るようにしましょう。

睡眠薬について

睡眠薬を服用するなら医師と相談するのが良い

慢性的に不眠感を抱いている人は、たまにはぐっすり眠ってみたい、と思っていることでしょう。そこで、つい、手を出したくなるものというと、アルコール、そして睡眠薬(睡眠改善薬)です。どちらもお店で簡単に手に入れることができるものです。気分も良くなるので、お酒を飲んでから眠るという人も多いかと思います。

薬といえば副作用が気になるところですが、新しい睡眠薬については、昔のものよりも比較的副作用が少なくなってきているようです。といっても、やはり薬には違いないので、使い方には注意しなければなりません。高齢者の場合は薬の分解能力が弱くなっているので、若い人と比べると副作用が強く出る可能性があります。認知症のような症状を引き起こすことも考えられますので、必ず医師に相談しましょう。

眠れない日が何日もずっと続くようであれば、自己判断で薬を購入するよりも、心療内科や精神神経科といった睡眠の専門家である医師の指導を受け薬を服用するのが良いでしょう。そのほうが、それなりの効果が期待できます。

絶対に避けなければいけないのは、睡眠薬とアルコールを併用することです。どちらも脳の活動を抑えるという同じような作用があり、睡眠薬をアルコールと併用することで薬の効果や副作用が強くあらわれます。

睡眠薬の副作用について詳しくは、こちら。

漢方薬の睡眠効果

睡眠薬(西洋医学の薬)を服用しての眠りは、脳に働きかけて眠りを促すというもので人間本来の自然な眠りではありません。これに対し、漢方薬は自然な眠りを妨げている原因を取り除き、その結果として不眠を改善していく、というものです。

漢方薬というのは、もともと西洋医学の薬と違い、ひとつの症状に効くように配合されたものではなく、体調を整え自然の治癒力を高めることを目的として用いられるので、その人の体質によって処方が異なります。
生薬といわれるように、原料となっているのは自然の植物などから抽出したものであり、比較的副作用が少ないといわれています。ただ、作用が穏やかなので改善されるのに時間がかかり、薬を長期間服用することが必要になります。

長い時間をかけ病状のもとになっているものを取り除いていく、つまり体質を改善して、不眠症も改善するというのが特徴です。こうしたことから、漢方薬が自然に近い眠りをもたらしてくれる可能性は期待できます。

眠る前にすると良いこと

イメージトレーニングをして眠る

イメージトレーニングというのは、物事が成功するイメージ、プラスのイメージを頭で想像して暗示をかけ、実際にも自分を成功へと導くという方法です。スポーツ選手などは、このイメージトレーニングをよく活用するといわれています。

イメージトレーニングは、入眠にも使えます。生活している中でイヤなことやつらいこと、面倒だなぁと思うことがある時などは、ふとんに入る前にトレーニングして、頭の中をプラスのイメージでいっぱいにしましょう。
良いイメージを思い浮かべると、それに合った神経回路を使う状態が頭の中で再現されることになり、これを繰り返していると実際に何か行動をしようとした場合にも、やる気や元気がわき、プラスのイメージの神経回路が働くようになってきます。

眠るときには、『気持ちいい』『あたたかい』『眠い』といった言葉や光景を思い描きます。プラスのイメージを持つことで、眠り上手に近づくのです。

ぬるめのお風呂に入る

疲れたり忙しかったりすると、お風呂につかってゆっくりしたいと思うことがあるでしょう。入浴がリラックスした気分をもたらしてくれたり、ストレスを緩和させてくれることは、脳生理学でも明確にされています。

人間の体は、体温が下がっていく時に自然と眠りが訪れます。お風呂に入って体が温まると当然体温は上がるわけですが、お風呂を出ると再び下がり始めます。これは、体温の変動によって自然に眠りに誘われるということですから、ぜひ、入眠に活用したいものです。

体や心の疲れを癒やし緊張をほぐしてくれる入浴ですが、最近ではさまざまな入浴剤があるので、こういったものを利用すればさらに効果的です。

気をつけなければならないのは、お湯の温度。就寝前は、ぬるめのお湯につかること。39℃くらいのぬるめのお湯に、20分くらいつかって、ゆっくりと体を温めるのが良いです。熱いお湯に入ると心臓に負担がかかるし、出た後には体温調節のために血管が収縮したり、筋肉が緊張したりと、リラックスには逆効果です。